【2023年版】三宅島への引っ越し準備「やることリスト」手続き・荷造り編

三宅島に移住してみたいと思う方にとって、初めての島暮らしにはやはり不安を感じることもありますよね。そこで今回は、三宅島に引っ越す際に必要となる準備や段取り、手続きなどについて、2回にわたり、三宅村地域おこし協力隊・移住定住分野で活動する山内拓さんが紹介します!

STEP1 :三宅島での新居を探すには?

ⓒミヤケジマズ

皆さん、こんにちは。三宅村地域おこし協力隊・移住定住分野で活動する山内拓(やまうち・たく)です。東京の島・三宅島で、最大1週間、お試し移住ができる「三宅村島ぐらし体験」の際に参加者の方々をサポートしたり、オンラインで移住相談会を行ったりしています。

皆さんは、三宅島に住みたいと思ったら、どんな準備をしたらよいか、すぐ思い浮かぶでしょうか?三宅島は東京都の島ではありますが、やはり島暮らしとなると、いろいろと分からないことも多いかと思います。

そこで、2回シリーズで「三宅島への引っ越しに際して準備することや、必要になること」を分かりやすくお知らせしていきます。三宅島での暮らしに興味がある方も、既に住むことが決まっている方も、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。

まず初めに、三宅島での「住まい」はどんな方法で探していくことになるでしょうか?仕事が先に決まっている方や、住居を先に決めてから仕事を後で探す方などさまざまだと思いますが、ここでは主に3つの方法をご紹介しましょう。

村営住宅

ⓒ三宅村地域おこし協力隊(撮影:山内拓)

三宅島には、36棟210戸の村営住宅があります。村営住宅36棟は一か所に密集しているわけではなく、島の各地区、さまざまな場所に点在しています。

部屋の間取りは2K・1DKから3DKまであり、単身はもちろん、世帯用の間取りもあるので、ご家族での移住も安心です。

出典:三宅村

村営住宅へ入居する手順は、三宅村が年に3〜4回ほど空き部屋への入居者を募集していますので、希望する方はそのタイミングで応募することをおすすめします。

希望した部屋に入居できるかどうかは抽選制のため、確約ではありませんのでご注意ください。また、入居に際してはいくつか条件があります。詳しくは三宅村ホームページをご参照ください。

不動産業者

「一軒家で島暮らしを満喫したい!」

そんな方には、三宅島の不動産会社をおすすめします。不動産会社のホームページには、空き物件の情報が記載されていますので、ぜひご確認ください。

気になる物件がありましたら、まずは不動産会社に連絡してみましょう。物件の見学から引っ越し準備、契約の手続きなど、不動産会社が詳しく手順を教えてくれます。

従業員寮

島内には、従業員寮を持つ事業所もあります。三宅村ホームページの島内求人情報には、従業員寮があることを紹介している事業所もありますので、要チェックです。

記載していない事業所もありますので、従業員寮の有無、空き部屋があるのかなど、事業所に確認してみてください。

●三宅村内求人情報一覧は、こちら

STEP2:三宅島への引っ越しが決まったらするべき4つのこと

三宅島で暮らすことが決まったら、引っ越し準備をすぐ始めましょう!島暮らしは、今までの暮らしと違うことが多いかもしれません。時間に余裕をもって準備を進めましょう。ここでは、順を追ってご紹介していきます。

船または飛行機の予約

引っ越しの日にちが決まったら、その日に引っ越しできるように島への移動手段を確保する必要があります。三宅島に行く方法は2通りあります。早速見ていきましょう。

【東海汽船「橘丸」(定期船)】

ⓒミヤケジマズ

三宅島へ海路で行く場合、竹芝客船ターミナルから出航する東海汽船の定期船「橘丸」に乗ることになります。竹芝客船ターミナルは、JR浜松町駅から徒歩約10分。毎晩22:30に出航し、三宅島までは約6時間30分で到着します。

三宅島には3つの港があり(三池・伊ヶ谷・錆ヶ浜)、翌朝の海況によって接岸港が決まります。港には、村営バスの早朝臨時便があるほか、タクシーも利用できるので便利です。

スーパーエコシップと言われる「橘丸」ですが、船室は各等級に分かれておりとてもきれいです。また授乳室やキッズコーナーもあり、ご家族連れでも快適に過ごせるようになっています。ペットルームもあり、本土の動物病院に犬やネコを連れていく島民もいます。

●「橘丸」については、こちら

「橘丸」の乗船については、インターネット、お電話から予約可能です。中でもインターネット予約は最大で20%も割引されるのでおすすめ!

予約方法については、下記のページからご確認ください。毎日就航しているので、ご自身のタイミングに合わせてご予約ください。

●東海汽船「予約から乗船まで」は、こちら

【新中央航空】

ⓒミヤケジマズ

三宅島には空路で行くことも可能です。調布飛行場と三宅島を往復する便が、毎日2~3便出ており、とても便利です。

なんといっても飛行機の最大のメリットは、たった50分で三宅島まで行けること!調布飛行場を離陸すると、横須賀や江の島、富士山や伊豆諸島の島々を眺めながら、あっという間に三宅島に到着します。

海況が悪く船が欠航になった時や、急いで本土に向かわなければならない時など、飛行機はとても便利ですが、定員は19人のため、早めのご予約をおすすめします。

●新中央航空の予約は、こちら

荷物の送り方を決める

三宅島への引っ越しに際して、どのくらいの荷物が必要になるかを決めて、送り方を考えましょう。単身かご家族か、などさまざまなスタイルがあると思いますが、最初は軽めの荷物で引っ越しするのもおすすめです。

三宅島は東京都の島ということもあり、例えば、島内で取り扱いのあるヤマト便であれば、関東圏と同一の送料で受け取ることもできます。離島だと配送料が別途かかることが多いなか、とても助かるサービスです!(ただし、大型の家具などを配送する際は、別途料金がかかることもあるので、購入先でよく確認しましょう。)

ここでは、代表的な送り方を4つご紹介します。

【東海汽船提携の陸送会社に依頼する(荷物が多い方・ご家族向け)】

ⓒミヤケジマズ

荷物が多い方は、東海汽船提携の陸送会社に依頼することをおすすめします。最大のメリットは、引越し業者を探す必要がなく、海上運搬から島内の引っ越し先の配送までまとめて手配できること。三宅島への引っ越しにおいて大変と思われる段取りをすべて任せることができます。

一方で、引っ越し専門業者ではないため、荷造りや梱包を自分でやる必要があります。例えば、大型家具を引っ越しする部屋から出せない場合は、自分で分解しておいたり、海上輸送では、上記の写真のようなコンテナに入れるため、テレビなどは、自分で用意した毛布で包んだり、振動で飛び出さないように食器や棚は梱包をしっかりするなど、荷造りに時間がかかる可能性があります。こちらを選択する際は、余裕を持った引っ越し準備をおすすめします。

●永井株式会社(陸送会社)ホームページ「東京諸島へのお引越し」は、こちら

●永井株式会社(陸送会社)による「引越し運賃シミュレーター」は、こちら

【主要な引っ越し業者に依頼する(荷物が多い方・ご家族向け)

主要な引っ越し業者に依頼する方法でも、三宅島への引っ越しは可能です。専門業者なので、荷造り・梱包を任せられるメリットはありますが、自分で業者を探し、見積もりを取らなくてはなりません。

また、陸送を主要な引っ越し業者にお願いしたとしても、海上輸送は東海汽船のコンテナで輸送するため、積み替えを依頼することになります。事前に梱包などをしっかりしておく必要がありそうです。また、海上運賃と三宅島到着後の島内配送料がかかるため、予め見積額を確認しておくことをおすすめします。

●東海汽船「東京諸島へのお引越しについて」は、こちら

【宅配便で送る(荷物が少ない方向け)】

荷物が少なめの方は、通常の宅配便で荷物をいくつかに分けて送ることも可能です。引っ越し業者に依頼するよりも費用を抑えられますが、送れるサイズに規定があるため、事前に箱のサイズや重量などを確認しておきましょう。

三宅島は、ヤマト便かゆうパックの取り扱いがメインとなります。送料は関東圏と同じなので助かります!

基本的に宅配便は、本土から発送された翌々日には三宅島に届きます。そのため、引っ越し日を逆算して発送準備を行うとよいでしょう。また、まずは入居してみて、その後必要になりそうなものを買い揃えていくのもおすすめです。

●日本郵便「「ゆうパック」の運賃・料金計算について」は、こちら

●ヤマト運輸「料金・お届け予定日を調べる」は、こちら

【輸送する車に乗せる(荷物が少ない人向け)】

ⓒ三宅村地域おこし協力隊(撮影:山内拓)

荷物が少ない場合、または引っ越してすぐ使いたいものなどは、海上輸送する車の中に乗せてしまう方法もおすすめです。もちろん車の中に乗せられる荷物の量は限りがあるので、荷物が少ない人向けの方法となります。

宅配便で送りにくい丈の長いものや、かさばるけれどどうしても持っていきたいものなどがある場合は、この方法は役立ちそうです。

車の手配をする 

三宅島での暮らしにおいて、車がなくても生活はできますがかなり不便なので車を確保することを強くおすすめします。車を入手する方法は大きく分けて2つあるのでご紹介しましょう。

【島内で購入する】

三宅島でも中古車を購入できます。島内で購入する大きなメリットは、足回りの錆処理など、島暮らしには欠かせないケアを受けられることです。ただし、最近、中古車市場の人気が高く、希望する車種がすぐに見つからないこともあるため、早めに依頼しておくとよいでしょう。

【島外で購入し、貨物船で海上輸送する】

ⓒ三宅村地域おこし協力隊(撮影:山内拓)

島外で車を購入し、貨物船で海上輸送することも可能です。1つ目の方法は、車を直接貨物営業所に持って行く方法です。東海汽船の芝浦貨物営業所に直接車を持っていくと、貨物船で三宅島に輸送できます。輸送の手続きは芝浦貨物営業所ですべてできて、手順も難しくありませんのでご安心を!

ただし、貨物船は水曜日と金曜日しか運航していないので、ご注意ください。また、荷物の種類や輸送先の島によって、持ち込む営業所が異なるので、間違わないようお気をつけください。下記の東海汽船のホームページでは、貨物輸送に関する運賃のシミュレーターや、連絡先などがチェックできます。

●東海汽船「貨物輸送のご案内」は、こちら

2つ目の方法は、東海汽船と業務提携している永井株式会社に依頼し、輸送してもらう方法。こちらの大きなメリットは、引っ越し前のご自宅から芝浦貨物営業所、そして引っ越し先の三宅島の新しいご自宅まですべて回送してもらえるということです。

2022年9月に始まったばかりのサービスですが、とても便利ですね。以下の東海汽船のホームページにて詳しい手順等が記載されていますので、ぜひご参照ください!

●東海汽船「東京諸島向け 車両回送サービスのご案内」は、 こちら

粗大ゴミ・家電製品などの処分をする

ⓒいらすとや

三宅島での新しい生活を始めるにあたり、今まで暮らした部屋で使っていた大型家具を島に送るべきか悩むところですよね。三宅島に大型家具や電化製品を送るためには、梱包をしたり輸送料もかかったり、いろいろと手間がかかるかもしれません。

例えば、まだ使えそうな大型家具は、買い取り業者に査定してもらったり、メルカリなどでほしい方に譲ることもできるかもしれません。あるいは、島に持っていかなくてもよいと思ったら、粗大ゴミとして処分することも検討してみましょう。処分の方法は、お住いの自治体によって決まっていますので、引っ越しまでに手続きしましょう。

STEP3:三宅島への引っ越し10日前までに行う4つのこと

ⓒいらすとや

いよいよ三宅島への引っ越しもあとわずかになってきました。いろいろとやらなければならないことが多く、気持ちも焦ってくるかもしれません。引っ越しは段取りがすべて!ここでは引っ越し10日前までに行っておくことについてご紹介しましょう。

郵便物の転送手続き

郵便物の転送手続きを、郵便局の窓口、ポスト投函またはインターネット(e転居)で済ませましょう。届け出日から1年間、旧住所から新しい住所に郵便物を転送してくれます。

●日本郵便「転居・転送サービス」は、こちら

通信の移設手続き

ⓒいらすとや

引っ越し前の住まいでインターネットを利用している場合、通常はプロバイダーと回線事業者の2つと契約しているはずです。2つの事業者をセットで契約しているか、個別に契約しているかによって、手続きは変わってきます。もしセットで契約している場合は、プロバイダーが一括して移設手続きをしてくれることが多いですが、個別に契約している場合は、回線事業者に手続きが必要になります。

また、島しょ部で現在使っているプロバイダーが利用可能か、新しい住まい(集合住宅や一軒家など)で現在使っているプロバイダーが移設可能かなど、予め問い合わせして確認しておきましょう。

電気・水道・ガスの移転手続き

ⓒいらすとや

電気・水道・ガスについては、各会社に電話もしくはインターネットで移転手続きを行いましょう。利用を停止する日を伝え、精算方法について相談し決めます。三宅島に引っ越すとすぐには本土に行けませんので、漏れがないよう手続きをしておきたいですね。

金融機関の手続き

ⓒいらすとや

現在利用している金融機関の移転手続きについても確認し、必要な手続きをしておきましょう。三宅島には都市銀行はなく、七島信用組合とゆうちょ銀行のみが金融機関となります。現在利用している金融機関のオンラインバンキングに登録すれば、離れていても利用は可能ですが、実際の生活の上では、島内で利用しやすい金融機関の口座を新たに開設する必要も出てくるかもしれません。

そのほか、クレジットカードや保険会社なども住所変更が必要になります。現在の住所で登録しているサービスについても住所変更が必要なものがないか、事前に確認しておきましょう。

三宅島での暮らしがいよいよ始まる!

ⓒミヤケジマズ

三宅島に住むことになったらどんなことを準備したり手続きしたらよいか?について、シリーズ1回目は「荷造り・手続き編」としてご紹介してきました。いかがでしたか?一般的な手続きのほかに、島ならではの準備が必要なこともあり、最初は戸惑うこともあるかもしれません。

次回2回目は、三宅島に引っ越してから1〜2週間の間にやっておきたい手続きについてご紹介します。ぜひ参考になさってみてください!

三宅村地域おこし協力隊では、移住に関することも随時情報を発信しています。何か分からないことがありましたら、下記のTwitterからメッセージをいただければ可能な範囲でお答えいたします。三宅島での暮らしにぜひ関心を持っていただければうれしいです!

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