「第15回 三宅村島ぐらし体験」レポート(2022年7月開催)

皆さんは、東京の島「三宅島」でお試し移住体験ができることをご存じですか?三宅村が2016年から開催している「三宅村島ぐらし体験」が、7月に久しぶりに開催されました!その様子を、三宅村の地域おこし協力隊員の山内さんがレポートします!

「三宅村島ぐらし体験」について

ⓒ三宅村

はじめまして! 三宅村地域おこし協力隊で、移住定住分野を担当する山内拓(やまうち・たく)です。千葉県から三宅島に移住して協力隊に着任したのが2020年11月なので、早いもので、もうそろそろ丸2年になります。

普段は、三宅村に寄せられた移住相談について、村の担当課の方々のサポートをしたり、三宅島の暮らしや風景をTwitterで発信するなど、移住促進のための活動をしています。また、三宅村のお試し移住事業「島ぐらし体験」の開催時には、移住者だからこそわかる目線を大事にしつつ、サポートスタッフとして、全日程に参加しています。

「島ぐらし体験」は、三宅村が実施しているお試し移住事業です。これまでに、移住を希望する方が多数参加し、実際に移住もしています。ハードルが高いように感じる島への移住。たしかに大変なことや苦労することもありますが、そこまで難しいものではありません!実際に移住した私はそう感じています。

移住後の生活がどんなものになるか、実際に見て自分に当てはめることができるプログラム、それが「三宅村島ぐらし体験事業」です。

三宅島ってどんなところ?

ⓒ三宅島観光協会

三宅島は、東京から南に約180km、人口約2,336人(2022年9月1日現在)の東京都の島です。伊豆諸島では4番目の人口数となります。島の面積は、約55.26㎢。大きさは、JR山手線に囲まれたくらいと言われ、車を走らせれば、約50分で島を一周できてしまうサイズ感です。小さく感じるかもしれませんが、伊豆諸島では3番目に大きな島です!

 離島と聞くと遠いイメージがあるかもしれませんが、東京(竹芝)から大型客船で約6時間半、飛行機では約50分という近さです!移住すると、東京へのアクセスのしやすさがより感じられるようになります。

 黒潮や溶岩が作り出す複雑な海底の影響で魚影が濃く、その魚たちを狙った釣りが島民、観光客を問わず人気の三宅島。ダイビングも有名で、ドルフィンスイミングも人気です。冬には、陸地からクジラを肉眼で見ることもできます!また、島全体が雄大な景観であるため、大自然が好きな方にはたまらない島です。

 地域の大きな特徴としては、活火山である雄山が島の中心にそびえ、それを取り囲むように、5地区(伊ヶ谷・伊豆・神着・坪田・阿古)に分かれていること。ただ分かれているだけではなく、地区にはそれぞれの文化が存在し、自分が住んでいる地区には、強い愛があります!

「三宅村島ぐらし体験」の特色とは?

職場見学のひとコマ(ホテル海楽)    (ⓒ三宅村)

「島ぐらし体験」は三宅村が主催する、移住を考えている人のための、お試し移住事業です。島内に最大6泊し、仕事や住まいの見学、島民との交流など、個人的な旅行ではなかなか体験できない、「ディープな島ぐらし」を体験できます!

2016年2月に第1回が開催され、直近では2022年7月に第15回が開催されました。新型コロナウイルスの影響で、第11回から第14回は開催できていません。そのため、開催できたのは実質11回。その半数以上を2月に開催しています。

三宅島は南の島なので、冬も暖かいと思う方は多いですよね?実は、冬は西風がとても強く、潮が舞い、常夏とはほど遠い気温。時にはダウンコートが必要なほど「寒い」のです!

そんな寒い季節、しかも最も寒いと言われる2月に「島ぐらし体験」を開催する理由は、三宅島の冬を見ていただきたいからです。三宅島の冬は決して良い季節とは言えません。皆さんが想像する、理想の島ぐらしとは違うかもしれません。そのため、真冬を体験することが、三宅島への移住に向いているか否か、わかりやすい指標のひとつになると思います。これが、あえて真冬の2月に多く開催している理由です。

これまで「島ぐらし体験」には、のべ57名が参加し、なんと20名の方が三宅島に移住しました!移住に不安を抱えていた方や、あと一歩を踏み出せない方が、実際に島に来て体験することで、よりリアルな島ぐらしのイメージがわき、本当に住んでみたいのかについても、クリアになることでしょう!

もしあなたが移住を考えているなら、先輩移住者のようにぜひ「島ぐらし体験」でお試し移住に参加してみてください!

「第15回 三宅村島ぐらし体験」レポート(2022年7月開催)

早朝、港で参加者の皆さんをお出迎え (ⓒ三宅村)        

2022年7月7日(木)~12日(火)まで、約2年半ぶりに「島ぐらし体験事業」(主催:三宅村)を開催しました。台風4号の影響で、初日に大型客船が欠航してしまい、1日遅れでの開催となりました。

参加者は年齢も性別もさまざまな3名の皆さん!初日の船の欠航など、天候に左右されることもありましたが、それこそが「三宅島ぐらし」!皆さんには、全プログラムを体験していただくことができました。

DAY1  島を1周しながら事業所の見学へ 

ⓒ三宅村

いよいよ「島ぐらし体験」のスタートです!初日は島全体を見るために車で1周し、その合間で事業所の見学をしました。三宅島は、島の外周に沿った「三宅島一周道路」があるので、簡単に1周できます。島の規模感を知るには、車で1周するのが一番わかりやすいのでおすすめです!

事業所見学では、担当の方に約15分ほどで仕事内容の紹介や施設の案内をしていただきました。ご配慮をいただき、社員寮を見せてくださった事業所も。「住まいがあるだけで移住への不安が一気に解消される。」という参加者の方の言葉が印象的でした。

DAY2 各々で事業所へ行き、聞きたいことを全部聞く!

三宅村役場にて職場見学(ⓒ三宅村)

参加者の皆さんが各自で事業所を訪問し、たっぷり質問できるプログラム。時間はなんと1時間!事業所の担当の方は、その時間の中でなんでも答えてくださいます。仕事内容についてはもちろんのこと、求人情報やお給料など、踏み込んだ質問も飛び交いました!

参加者の皆さんには、申し込みの際に、興味のある職種についてお聞きし、その回答をもとに、島内で見学をおすすめしたい事業所と調整を行っています。そのため、参加者の方が特に知りたい事業所へ行くことができるという「島ぐらし体験事業」の目玉のプログラムです。

DAY3 自然ガイドによる島内ツアーと明日葉摘み体験で三宅島を満喫!

ひとみさんの自然ガイドツアー (ⓒ三宅村)

 「島ぐらし体験」では、第1回目から毎回必ず行っているプログラムがいくつかありますが、そのうちのひとつが、三宅島の自然ガイド・菊地ひとみさんによる、島内ツアーです!

三宅島の自然はもちろんのこと、暮らしや文化にいたるまで、ひとみさん(みんなそう呼んでいます!)の豊富な知識で、三宅島の魅力がさらに深まり、毎回好評です!今回は、あいにくの雨でしたが、参加者の皆さんも、説明に聞き入っていました。

神戸農園で明日葉摘み体験 (ⓒ三宅村)

 午後は、農業研修生として三宅島へ移住し、現在は明日葉農家として独立している、神戸農園の神戸晴行(かんべ・はるゆき)さんの畑で、明日葉摘み体験を行いました。伊豆諸島の名産である明日葉を思うぞんぶん摘みながら、島での農業について神戸さんを質問攻め!非常に濃い時間を過ごしました。

DAY4 気になる三宅島の「住まい」と三宅島伝統の木遣太鼓の練習を見学

村営住宅の見学 (ⓒ三宅村)                                                                                      

 移住する際に最も気になる情報のひとつ、それが「住まい」。この日は、そんな三宅島の「住まい」を見学しました。見学したのは村営住宅。

三宅村の村営住宅はとにかくきれいなんです!実は、私も現在村営住宅に住んでいますが、移住する前は、正直に言いますと、少し不安でした。しかし、実際に見て内装のきれいさにびっくりしたのを今でも覚えています。参加者の方々も、私と同じような反応をしていました。

 旅行で島の住まいを見るのはなかなか難しいと思いますが、こうした見学ができるのも「島ぐらし体験」ならではのプログラムです!

木遣太鼓の練習の見学 (ⓒ三宅村)                                                                                                        

また、この日は、村立三宅小学校の体育館で行われた、木遣太鼓の練習を見学しました。三宅島の太鼓は「魅せる」と「演奏」を両立させた独自のスタイルが特徴。この日も、子どもから大人まで、多くの島民が練習に参加し、力強い太鼓の音色を響かせ、体育館は熱気に包まれていました。島内では、スポーツや趣味のサークルがたくさんあり、自由に入ることができます!

DAY5 体験期間中に気になった事業所へ再度訪問!

三宅村シルバー人材センターにて職場見学 (ⓒ三宅村)

 5日目は、「初日、2日目で見学した事業所にもう一度話を聞きたい。」「体験期間中に気になった事業所ができたから見学したい。」という参加者の方のために設けられた時間となっています。

「島ぐらし体験」に参加する前までは興味がなかった上に、経験もないといった職種でもまったく問題ありません!事業所の担当の方が快く相談に乗ってくださいます。

 今回も1名の参加者の方が、初日に受けた15分の説明と、その際にもらったパンフレットを見て気になったという事業所へ再度見学に行き、非常に有意義な時間を過ごしました。

DAY6 最終日はハイキング、そして名残惜しい別れ!

ひょうたん山にて(ⓒ三宅村)

帰りの大型客船は13時過ぎに出航。そのため、最終日は午前中だけのプログラムとなります。今回は天候に恵まれたため、自然ガイドによる島内ツアーで回りきれなかった「ひょうたん山」を登り、ちょっとしたハイキングを楽しみました。

恒例の船のお見送り「行ってらっしゃい!」(ⓒ三宅村)                                                        

 その後、みんなで昼食を食べながら「島ぐらし体験」を振り返りました。そして、参加者の皆さんは、三宅島から帰りの船に乗って竹芝へ。「島ぐらし体験」では、スタッフによる船の見送りが恒例ですが、参加者の皆さんは、毎回名残惜しそうに「まだ島にいたい」と言ってくださいます。島ぐらしを満喫いただけたかなと感じられる、うれしい瞬間です!

三宅島に住んでみたい!と思ったら「三宅村島ぐらし体験」に参加しよう!

 「第15回 三宅村島ぐらし体験事業」のプログラムについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?この記事を読んで、「島ぐらし体験」に興味を持った方は、ぜひ一度お話してみませんか?

2022年9月25日(日)開催の「第18回ふるさと回帰フェア2022」に三宅村の担当職員と私、三宅村地域おこし協力隊・山内が、「三宅島」ブースとして参加します。会場は、JR有楽町駅の目の前の、東京国際フォーラム ホールE およびロビーギャラリーです!

「島ぐらし体験事業」についてやオンラインの相談会など、詳しくご紹介いたします。もちろん移住についてのご相談も大歓迎です!

ぜひ会場でお会いしましょう!(三宅村の窓口時間は13:30-16:30です。お間違いなく!)


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