シリーズ1回目では、三宅島への引っ越しに必要な準備や段取り、手続きについて見てきました。今回は、三宅島に引っ越して来てから1~2週間のうちにやっておきたいことについて、三宅村地域おこし協力隊の山内拓さんが紹介します。三宅島での島暮らしを楽しむためにも、ぜひ知っておきましょう!
●1回目の記事をまだお読みになっていない方は、こちらからどうぞ! 【2023年版】三宅島への引っ越し準備「やることリスト」手続き・荷造り編 |
STEP1 :三宅島に引っ越してきたらするべき4つのこと
さあ、いよいよ待ちに待った三宅島での島暮らしのスタートです!とはいえ、島暮らしが初めての方にとっては不安も多いと思います。ここでは、三宅島に引っ越してきたらまず始めたいことについてご紹介します。早速見ていきましょう。
車の引き取り
三宅島に引っ越してくる前に所有していた自家用車や、新たに購入した自家用車を三宅島に運搬するにはどうしたらいいでしょうか?定期船「橘丸」には車両などは積載できないので、貨物船に載せるための手続きをする必要があります。
車を輸送する貨物船は、東海汽船の芝浦貨物営業所から、水曜日と金曜日に運航しています。そのため、車が三宅島に届くのは「木曜日」と「土曜日」になります。引っ越し日とうまく調整しながら輸送しましょう!
貨物船が着く港は定期船と同じく、その日の海況によって違います。三池港、錆ヶ浜港、伊ヶ谷港の3つの港のうち、どの港に貨物船が着いたのかを確認してから受け取りにいきましょう。なお、車の鍵は東海汽船の従業員の方が預かってくださっています。到着港によっては、車を長時間置くことができないところもあるので、車の引き取りは最優先で行いましょう!
●東海汽船 三宅島営業所 04994 – 5 – 0221
●東海汽船ホームページ「貨物輸送について」は、こちら
荷物の引き取り
ご自身がお住いの地域から三宅島に宅配便で荷物を送った場合、海況等にもよりますが、通常は翌々日に到着します。そのため、竹芝から出発する前日に荷物を送れば、引っ越し当日に荷物の受け取りが可能です。
引っ越し初日から使いたい荷物がある場合は、翌々日に到着することを考慮して、荷造りや準備を行いましょう!
新居への入居
いよいよ新居への入居ですが、まずは「鍵の受け取り」をしましょう。もし村営住宅に入居する場合は、三宅村役場で新居の鍵を受け取ることになります。また、不動産会社と賃貸契約をした場合は、不動産会社から直接鍵を受け取ります。そのほか、従業員寮に入る場合は、各事業所とあらかじめ相談して決めておきましょう。
電気・ガス・水道の開通
新居に入居したら、まずは「電気・ガス・水道」の開通を行いましょう。一般的な引っ越しと同じ作業ですが、時期によっては三宅島に引っ越しされる方が多いこともあり、早めに開通の依頼をしましょう。
【電気】
電気の開通は、東京電力に連絡して手続きを行います。下記まで連絡してみてください。
0120-933-375 または 03-4214-5678
【ガス】
ガスの開通は、島内のガス会社に連絡し、手続きを行います。
三宅島のガス会社は以下の3社です。
●宮正商店 (04994-5-0595)
●三宅島産興商会(04994-5-0505)
●みつわコーポレーション(04994-2-0130)
また、三宅島は都市ガスではなくプロパンガスなので、コンロ等を購入する際にはご注意ください!
【水道】
水道の開通は、三宅村の地域整備課水道係に連絡し、手続きを行います。
<連絡先>
04994-5-0989
STEP2:引っ越し後にやっておきたい4つのこと
転入手続き
三宅村役場1階窓口または島内各出張所にて、転入手続きを行いましょう。その際、引っ越し前の自治体で受け取った転出証明書が必要となります。また、引っ越しをしてから14日以内に手続きする必要があることもご注意ください!
なお、転入届の提出時には、国民健康保険やマイナンバーカードの住所変更についても手続きをしましょう。
運転免許証の住所変更
自動車免許を持っている方は、三宅島警察署にて運転免許証の住所変更を行ってください。その際、運転免許証と新しい住所が確認できる書類(住民票の写し、マイナンバーカード、健康保険証、在留カードなど)が必要となります。
●三宅島警察については、こちら
ちなみに、自動車運転免許の更新は島内の警察署で申請可能です。更新期限に遅れないよう、早めに三宅島警察署にお出かけください。
●運転免許の更新については、こちら
自動二輪・自動車の登録変更
普通自動車、自動二輪の場合、車検証の住所変更を引っ越し後から15日以内に行わなくてはなりません。
【普通自動車】
東京運輸支局に連絡し、手順に従って手続きしてください。
<連絡先>
050-5540-2030
【軽自動車】
軽自動車検査協会 東京主管事務所に連絡し、手順にしたがって手続きしてください。
<連絡先>
03-3472-1561
【125cc以下の自動二輪】
三宅村に転入登録が済んでいれば、三宅村役場で変更手続きすることが可能です。
●三宅村ホームページ「自家用車等の届出」は こちら
「東京都離島住民航空割引カード」の発行
「東京都離島住民航空割引カード」は、新中央航空の飛行機に乗る際、割引が適用されるカードです。今後のためにも早めに作っておきましょう。
「東京都離島住民航空割引カード」は、三宅村役場1階窓口、または島内各出張所にて手続き可能です。その際、縦30㎜、横24㎜で半年以内に撮影した顔写真と、本人確認書類が必要となりますのでご注意ください。
STEP3:三宅島暮らしに役立つ情報を知ろう
三宅島での暮らしがスタートしたらいろいろと知りたくなりますよね?ここでは、毎日の暮らしに役立つ情報をいくつかご紹介しましょう。分からないことがあったら、三宅村役場に聞いたり、周囲の方に尋ねてみるのもおすすめです。
ゴミ収集
三宅島での新生活が始まって、案外最初に戸惑うのが「ゴミはどこに捨てればいいの?」ということです。集合住宅に住む場合は、共用のゴミ集積所があるので、そこに捨てるようにしましょう。また、近くにゴミ集積所が見つからない場合は、近所の方に尋ねたり、自治会に聞いてみるのもよいかもしれません。
ゴミを捨てる日は、各地区によって曜日が異なるなどルールもあります。下記の分別表や三宅村のホームページをご確認ください。また、島内にはカラスが多く、集積所にネットが張ってあったり、ゴミ袋をしっかり閉じる工夫や、箱などに入れてカラスに食べられないようにするなどの工夫を皆さんしています。また、捨ててはいけないものもありますので、ゴミのルールはしっかり守りましょう!
金融機関
三宅島には、神着地区に「七島信用組合三宅島支店」と、各地区の郵便局に「ゆうちょ銀行」があります。それぞれの金融機関では、ATMも利用可能です。
営業時間はそれぞれ異なりますので、ご注意ください。また「七島信用組合」も「ゆうちょ銀行」もオンラインバンキングに登録すると、実店舗に行かなくても振込などができるのでおすすめです。
金融機関名 | 営業時間 |
七島信用組合 三宅島支店 | 平日 8:45 – 18:00 土日祝日 9:00 – 17:00 |
三宅島郵便局 (ゆうちょ銀行ATM) | <神着> 平日 8:45 – 17:00 土曜日 9:00 – 16:00 日祝日 9:00 – 12:30 <伊豆・伊ヶ谷・阿古・坪田> 平日 9:00 – 17:30 土日祝日 取り扱いなし |
医療
【三宅村国民健康保険直営中央診療所】
島内で唯一の総合診療機関が、中央診療所です。内科・整形外科・小児科を主な診療科目としており、診療所の医師が診療を行います。インフルエンザや新型コロナウイルスのワクチン接種なども行われています。
また、定期的に専門医外来を実施しており、実施日は村の広報誌「広報みやけ」に掲載されます。
なお、緊急時には、ヘリコプターによる「島外救急搬送」も行われ、東京消防庁または自衛隊のヘリコプターで、都立広尾病院などの都内の病院や千葉県鴨川市内の亀田総合病院などに搬送されることになっています。都立広尾病院とは画像伝送システムがつながっているため、症例の検査画像を予め伝送でき、搬送時に迅速に対応できるようになっているそうです。
●中央診療所については、こちら
【三宅島歯科診療所】
島内には1件の歯科医院があり、「三宅島歯科診療所」で歯の診療を受けることが可能です。急な歯痛や、定期的な治療にも対応いただけるので安心です。すぐ近くには「ランドリーアサヌマ」さんや「岡太楼本舗(牛乳煎餅)」さん、その先には「正大ストア」もあるので、通院のついでにいろいろ用を足すのもいいですね。
●三宅島歯科診療所については、 こちら
郵便・宅配便
三宅島から郵便や荷物を送るにはどうしたらよいでしょうか?郵便や宅配便は、集荷された後、その日の定期船の上り便に積載するため、それぞれ持ち込み時間が決まっているなど、島ならではのルールがあります。海況によっては定期船の欠航などもあるため、提出期日が決まっている郵送物などは、余裕を持って早めに発送するなど工夫も必要です。
【郵便局】
島内各地区に郵便局があり便利です。郵便物やゆうパックなどは、当日の定期船「橘丸」の上り便に載せられるため、持ち込み時間が決まっています。神着地区にある「三宅島郵便局」は、12:00までに持ち込めばその日の定期船に載せられますが、それ以外の郵便局では、当日10:30までに持ち込まないと、その日の船には載らないのでご注意ください!
また、各郵便局では、ゆうパックのほか、チルドゆうパック(保冷)の発送も可能です。冷凍でなくても保冷して発送したい荷物などには便利なサービス。発送できるサイズや注意事項については日本郵便の「チルドゆうパック」のページをご覧ください。
さらに、各郵便局では、郵便についてはキャッシュレス対応もされておりとても便利です。また、メルカリの発送にも対応しており、島内からでも発送できます。
なお、各郵便局にはATMもあり便利ですが、平日と祝休日の営業時間が異なるなど注意が必要です。下記をご確認ください。
郵便局 | 郵便窓口 | ATM |
三宅島郵便局(神着) | 平日 9:00 – 16:00 土曜日 9:00 – 12:00 日祝日 9:00 – 12:00 | 平日 8:45 – 17:00 土曜日 9:00 – 16:00 日祝日 9:00 – 12:30 |
坪田郵便局(坪田) | 平日 9:00 – 16:00 土日祝日 取り扱いなし | 平日 9:00 – 17:30 土日祝日 取り扱いなし |
三宅島阿古郵便局(阿古) | 平日 9:00 – 16:00 土日祝日 取り扱いなし | 平日 9:00 – 17:30 土日祝日 取り扱いなし |
三宅島伊ヶ谷郵便局(伊ヶ谷) | 平日 9:00 – 16:00 土日祝日 取り扱いなし ※平日13:00-14:00 の間、郵便・貯金・ 保険窓口は休止。 (ATMは稼働) | 平日 9:00 – 17:30 土日祝日 取り扱いなし |
三宅島伊豆郵便局(伊豆) | 平日 9:00 – 16:00 土日祝日 取り扱いなし ※平日13:00-14:00 の間、郵便・貯金・ 保険窓口は休止。(ATMは稼働) | 平日 9:00 – 17:30 土日祝日 取り扱いなし |
【宅配便】
島内から荷物を送る場合は、各地区の郵便局から「ゆうパック」や「チルドゆうパック」で送るか、阿古地区にある「三宅島自動車運輸」さんからヤマト便で送るかの2つになります。(宿に宿泊されている方は、宿で発送手続きができるところもあります。)
ヤマト便で発送する場合は、当日12:00までに「三宅島自動車運輸」さんに荷物を持ち込みましょう。2019年11月から、保冷輸送サービス「クール宅急便」の取り扱いが三宅島でも始まり、冷蔵タイプ(輸送温度:零度~10度)および冷凍タイプ(輸送温度:マイナス15度)のいずれかで発送できるようになりました。三宅島産の鮮魚や、あしたば、パッションフルーツなどを買って、ご家族や友人に送る際には便利ですね。
●三宅島でのクール宅急便サービスについては、こちら
ちなみに、クール宅急便を含め、ヤマト便の送料は関東圏と同じ金額となり、離島料金が発生しないのはとても助かります!
●三宅島自動車運輸(ヤマト便) 04994-5-0506
公共交通機関
島内は都道が一周しており、公共交通として村営バスが運行しています。村営バスは、島の右回りと左回りの2路線で運行しており、時刻表がそれぞれあるので注意しましょう。また、定期船の下り便が到着する早朝には、接岸港に早朝臨時バスが待機しておりとても便利です。
また、おトクな三宅村営バス「フリー乗車券」もあり、観光のかたはもちろん、島に住んでいる方も、たまにはバス旅を楽しんでみるのもよいかもしれませんね。
●三宅村営バスについては こちら
三宅村の広報紙「広報みやけ」
三宅村では、毎月1日に「広報みやけ」という広報紙が発行されており、各戸に配布されます。(ちなみに一軒ごとに配布しているのは、三宅村シルバー人材センターの皆さんです!)三宅島の行政、住民向け、防災、観光、移住などの情報が掲載されていますので、移住前後に関わらず、ぜひご覧ください。また紙以外でも、当月号やバックナンバーが、三宅村ホームページでも閲覧できます。
●「広報みやけ」は こちら
IP告知端末・防災無線
IP告知端末(写真上)では、島内のイベントや暮らし、防災情報など、村に関するさまざまな情報が配信されます。船と飛行機の運航状況も随時確認できます。また、島内のIP告知端末どうしでテレビ電話を無料で行うこともできます。
IP告知端末が新居にない場合、三宅村役場または各地区出張所にて、IP告知端末を貸与してもらうための申請書に記入し、手続きしましょう。
●三宅村ホームページ「IP告知端末(テレビ電話)」は、こちら
防災無線は、島内の防災情報や船と飛行機の運航状況など、重要なお知らせが流れます。特に、台風などの災害時や定期船欠航の際に放送されることが多いので、各戸に貸与される受信機や近隣の防災無線のスピーカーから流れる情報に耳を傾けてください。
三宅島での暮らしを楽しもう!
今回は、三宅島に引っ越しをするための準備や段取り、やることについて2回シリーズでご紹介してきました。いかがでしたか?初めて島暮らしをする方にとっては、分からないことが多く不安かもしれませんが、基本的な引っ越しの流れは大きくは変わりません。
時間に余裕をもって準備して、最初の荷物は軽めがいいかもしれません。島で調達できるものもありますし、ネット通販などを利用して徐々に揃えていくのもおすすめです。
まずは、三宅島の環境に慣れて、たくさんの方と知り合って島暮らしのコツをぜひ聞いてみてください。皆さんの三宅島での暮らしが楽しいものになるよう願っております!
●移住に際してご質問などありましたら、地域おこし協力隊のTwitter からお問い合わせいただければ、可能な範囲でお応えします!お気軽にお問い合わせください。
●記事内容は執筆時点に基づきます。